【弁護士が解説】共同親権のメリットと問題点
日本では、離婚後の親権は一方の親のみが持つ単独親権が原則とされてきました。
しかし、父母双方が子どもの養育に関わり続けることの重要性が指摘される中、共同親権を選択できる制度の導入が決定しました。
今回は、共同親権の基本的な仕組みを踏まえたうえで、メリットと問題点を解説いたします。
共同親権のメリット
共同親権のメリットは、以下のとおりです。
- 離婚後も子どもが父母双方との関係を維持しやすくなる
- 非同居親も重要な判断に関与しやすくなる
それぞれ確認していきましょう。
離婚後も子どもが父母双方との関係を維持しやすくなる
共同親権の大きなメリットとしては、離婚後も子どもが父母双方との関係を維持しやすくなる点が挙げられます。
単独親権では、親権を持たない親は、教育面など直接関与できない場面がありました。
共同親権では、父母双方が親権者となるため、子どもの医療や教育、財産管理に関する法律行為について、関与の余地が広がります。
非同居親も重要な判断に関与しやすくなる
共同親権では、生活を共にしていない親であっても、法的に親権者としての立場を持つことになります。
そのため、子どもの進路に関する決定だけでなく、緊急時の手術への同意を単独で行使できるなど、子どもの生命や健康に関わる重要な判断についても関与できるようになります。
共同親権で指摘される問題点
共同親権には次のような問題点があるといわれています。
父母の意見対立による影響
共同親権では、重要な事項について、父母の協議が前提になります。
双方の意見が対立した場合、決定するまでの期間が長くなり、子どもの生活や進路などに影響を及ぼす可能性があります。
家庭裁判所の関与により解決を図る仕組みはありますが、スムーズな判断が難しくなる場面もあるかもしれません。
DVや虐待が関係するケース
元配偶者によるDVや虐待があった場合、共同親権とすることで、被害を受けた親や子どもの安全が脅かされるリスクがあります。
このような事情がある場合、離婚前ならば離婚調停、離婚後の場合は親権者指定の調停を申立てることで、家庭裁判所が個別に事情を調査し、単独親権とする判断がなされることがあります。
子どもへの心理的負担
面会交流の機会が増えること自体は評価される一方で、移動の負担や、父母の間で板挟みになることによる心理的な影響が生じる可能性もあります。
共同親権を選択する場合には、監護の分担や連絡方法などを具体的に定め、子どもへの負担をできる限り軽減する工夫が必要です。
まとめ
共同親権は、父母双方が子どもの成長に関与し続けることを可能にする制度であり、子どもの利益につながる場面もあります。
一方で、意見対立や安全面、子どもへの負担といった問題点もあり、すべての家庭に適する制度とは限りません。
不安な方は、弁護士への相談を検討してみてください。
