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未払いの養育費の時効について/藤尾法律事務所

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未払いの養育費の時効について

離婚の際には、親権者は非親権者に対し、子どもの養育費を請求することができます。親権をとれなかった非親権者であっても、子どもの扶養義務を免れることにはならず、子どもを育てていくための費用として養育費を支払わなくてはなりません。

 

ここで注意すべきこととして、養育費には時効があります。すなわち、未払い養育費を一定期間放置していると時効が成立し、相手方がその消滅時効を援用した際には、親権者であっても養育費の支払いを請求することができなくなってしまうのです。

養育費の請求の時効は、原則として5年とされています。離婚時に夫婦の協議で養育費の金額や支払方法を取り決めた場合(離婚協議書で定めた場合)や、公正証書を作成し養育費を定めた場合がこれにあたり、消滅時効は5年となります。

 

一方で、裁判手続きを通して取り決めを行った場合、すなわち調停・審判・裁判により養育費を取り決めた場合には、例外として、その時から10年が消滅時効となります(民法174条の2第1項)。

なお、養育費につき具体的内容の取り決めをしていない場合は、具体的権利が発生していないとして消滅時効は生じません。
(ただし、権利を具体化させずに過ぎ去った過去分の養育費の請求を遡って請求することは困難ですので、消滅時効が生じないといって安心するのは早計です。)

 

このように、養育費には請求できる期限があり、時が経過するにつれ時効も進行していきます。しかし、時効の進行を止める(リセットする)手段があります。それが時効の中断です。

時効の中断とは、①請求、②差押え・仮差押え・仮処分、③債務の承認などを行うことにより、時効が一旦リセットされ、再度そこから5年または10年の時効を進行させる方法をいいます。

 

①請求
裁判上の請求(支払督促・調停・訴訟)により時効を中断できます。

 

②差押え・仮差押え・仮処分
債務者の有する財産を差し押さえ、その財産を取得することで養育費を回収します。差押えは強制執行手続きであり、仮差押えは裁判提起前に相手方が保有財産を隠匿することを防止するため、「仮」の差押えをしておき、勝訴したら対象財産を取得できるとしたものです。

 

③債務承認
債務承認とは、債務者が自身の債務(養育費の支払義務)を認める行為をいいます。
養育費のうち一部を支払い済の場合や、支払いの念書を記載する行為、減額・期間の延長などをお願いする行為があれば、債務者はその債務の存在につき認めたと評価できるため、債務承認に該当します。

 

相手方がなかなか養育費を支払ってくれないという場合、個人で解決するには精神的な負担もかかります。養育費は子どものための権利です。しっかりと支払いを受けるためにも、お近くの弁護士に是非ご相談ください。

 

鹿児島県鹿屋市にある藤尾法律事務所では、鹿児島県鹿屋市、志布志市、垂水市、曾於市、霧島市、肝付町、大崎町、東串良町、錦江町、南大隅町、宮崎県都城市にお住いの皆様から、離婚、交通事故、相続、借金問題にかかるご相談を承っております。

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