交通事故の後遺症が後から判明したらどうする?
交通事故は避けたいものですが、自分が気を付けていても相手側の不注意で巻き込まれてしまうことがあります。
たとえばケガをしたり車が破損したりした場合はわかりやすいですが、神経など身体の中に関する異常はその時にはわかりづらいものです。
今回は後遺症が後になって判明した場合にどのような対応ができるかをまとめていきます。
後遺症とは
交通事故による後遺症とは、交通事故による怪我の治療が終了したとしても残ってしまった症状のことをいいます。
後遺障害は、治療してもこれ以上快方に向かわない症状固定と診断された状態の事を指します。
よくある症状として以下が挙げられます。
・むち打ち
・めまい
・頭痛
・耳鳴り
・倦怠感
後遺障害とは
後遺症とよく似た言葉で、後遺障害と呼ばれるものがあります。
これは損害保険料算出機構という機関が自賠責法に基づき認定した障害を指します。
等級が1~14まであり、認定されることで後遺障害として交通事故の相手方へ損害賠償請求が認められる可能性が高くなります。
逆に言うと、後遺障害として認定されなければ、後遺症を交通事故の損害として認めてもらう事は難しくなります。
示談後の後遺症
通常、示談が成立した後に後遺症が判明したからといって相手方へ追加で損害賠償を請求する事はできません。
示談とは当事者同士の話し合いにより、和解契約を締結する事を意味します。
和解契約には清算条項と呼ばれる条項が記載されていることが一般的です。
清算条項の記載された和解契約を締結した場合、裁判を起こしたとしても主張が認められることはほとんどありません。
先行示談
示談後の後遺症に対応するためには、示談の段階で対策をする必要があります。
その対策の1つとして先行示談というものがあります。
先行示談とは、交通事故の示談において先に治療費、慰謝料や休業損害などの傷害部分についての示談をし、後で後遺症についての示談を別にする事を指します。
先行示談のメリット
先行示談のメリットとしては、被害者は障害部分に関する賠償金を先に受け取る事ができるという点です。
特に生活に困窮している場合においては、被害者は1日でも早く賠償金を受け取りたいと考えることでしょう。
先行示談のデメリット
デメリットとしては、先行示談の書類上の文言によっては、後遺症による損害賠償が認められなくなってしまうという本末転倒な事例があることです。
しかし先行示談は、安易に後遺症部分についての示談をする必要がなくなるため、非常に有効な方法です。
まとめ
先行示談についてお伝えしましたが、前述したように、この手続きによって後遺症の認められる範囲が狭まってしまう場合があります。
相手方の保険会社の提示する書類にうかつにサインしてしまったり、自作の示談書で示談をしてしまったりしたりすると、本来受け取ることができるはずの賠償金が受け取れなくなる可能性があります。
交通事故の被害者になってしまった場合は専門家の弁護士に相談しましょう。