遺言書の種類と効力
人の死によって、相続が開始します(民法882条)。故人の生前に仲の良かった家族が、自分の残した財産によって、相続争いを繰り広げ、骨肉の争いをするのは避けたいことです。遺言を残すことによって、家族間の無用な争いを避けることができるという遺言特有のメリットがあります。遺言には「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」、そして「秘密証書遺言」の三種類があります。
■自筆証書遺言
自筆証書遺言は、自分で書いて作る遺言書です。自分自身で遺言書を作成するので、遺したい遺言の内容をだれにも知られることがなく、内容を秘密にしたまま遺言書を作成するこできます。自分で作成するので、費用もほとんどかかりません。また、遺言書を作成するために用いる筆記具や用紙などに決まりはなく、気軽に作成することができます。
その一方で、法律で定められた正しい形式で遺言を作成しないと無効になってしまいます。また、そもそも遺言書が発見されないということもあります。加えて、遺言書の保管も自分で行うため、遺言の偽造や変造、紛失などのリスクもあります。
■公正証書遺言
公正証書遺言は、信頼のおける二人以上の証人を選び、公証役場で選任した証人の立会いの下で公証人に口頭で遺言内容を伝えて、それをもとに公証人が遺言書を作成します。公証役場へ赴いたり、証人を選ぶ手間や費用がかかりますが、元裁判官や検察官などの法律の専門家が遺言書を作成するため、形式などの不備で遺言が無効となってしまうことはありません。また、遺言書の原本は公証役場に保管されるため、遺言書の偽造や変造、紛失などのおそれもありません。
■秘密証書遺言
秘密証書遺言は、遺言者が遺言を作成し、それを封印したものを、信頼のおける証人二人以上の立会いの下、公証人に提出して遺言の存在を証明してもらうことを目的として行われます。自筆証書遺言と同様に、遺言の内容を知られることはありません。
しかし、手間と費用がかかるうえ、形式の不備などで無効となってしまう可能性があります。
以上のように、遺言にはそれぞれメリットやデメリットがありますので、よく検討してどの方式で遺言書を作成するか決めると良いでしょう。
鹿児島県鹿屋市にある藤尾法律事務所は、鹿児島県鹿屋市・志布志市・垂水市・曾於市・霧島市・肝付町・大崎町・東串良町・錦江町・南大隅町、宮崎県都城市を中心に、「遺言書」や「遺言書の形式」、「遺言内容」など、「相続」に関するご相談を承っております。なにか「相続」に関してご不明な点やお困りのことがございましたら、当事務所までご相談ください。ご相談者さまのニーズにあわせた解決策をご提案いたします。